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えほん制作日記 選考会のようす
皆さまからの“たいせつなこと。”「くらしえほんキャンペーン2018」の入賞3作品が決定しました。
2018年12月に「くらしえほん」事務局スタッフによる
1次〜2次選考での熱い議論を経て、最終6作品を選出しました。

たいせつなご家族やご友人、ペットとの想い出や
何気ない日々の暮らしで起こった忘れたくない出来事など、
“えほん”として残したいという想いが伝わる
エピソードがたくさん寄せられました。

最終選考では約1,000名の
クラシエ社員とたんぽぽメンバーの皆さまの投票により、
今年も3つの優秀賞作品が決定しました!
取材のようす
いっぽずつまえへ
原作者 やすよ さん
原作者 やすよ さん
「一歩ずつ前へ」はお子さんの成長スピードの違いに葛藤する中で、やすよさんが見つけた“ほんとうにたいせつなこと”についてのエピソードです。

お子さんが2人いるやすよさんは姉妹の違いを比べないよう日頃から心がけていました。
しかし、自然と目に入る長女と顕著に異なる次女の様子に「このままで大丈夫かな」と不安になってしまう日々が続いたそうです。そんな焦りや不安が続くなか、日に日にぐんぐんと成長し、両親を“あっ”と驚かせる出来事が起こります。

「最近は、次女が“テキパキさん”で、長女が“のんびりさん”なんです。あの日をきっかけに『ゆっくりでも、1歩ずつ前へ進むことで大丈夫』と思えるようになりました」とはじめての取材に緊張しながらも丁寧に話してくださる、やすよさんはとても温かな空気につつまれているようでした。
イラストレーター 古川じゅんこ さん
イラストレーター 古川じゅんこ さん
はじめてこのお話を読ませていただいた時に、なにか巡り合わせのようなものを感じました。私にも発達の遅れた兄がいて、家族全員で支え合った経験がありました。
ですので、この絵本のご両親のお気持ちがよく分かる気がしました。誰でもそれぞれに得意なことや不得意なことがあり、皆一歩ずつ歩んでいるのだと思います。

もどかしいから愛しい。そんなありふれた人の存在を、温かく包み込んでくれる絵本だと思いました。そういうことを素直に表現したいと思いながらイラストを描きました。
写真
げんきなげんかん
原作者 あたりしん さん
原作者 あたりしん さん
あたりしんさんが小さいときのお母さまとの思い出を、ご自身の3人のお子さんに伝えたいと思って書いたものです。

男の子3人との日々は、玄関に靴が散乱する毎日で、『脱いだら並べなさい!』とついつい怒ってしまうことも多いんですよと話すあたりしんさん。そんなとき、泥んこになって帰っても『元気な証拠だよね』と笑いながら言ってくれるお母さまのことをよく思い出すそうです。怒られるよりも、前向きなことばをかけてもらったことで、次から脱いだ靴をちょっと並べるようになったりしたので、息子さんたちにもそんな気持ちを感じてもらえたらとおっしゃっていました。

今思えば、おばあさまも、お母さまと似ていてとても前向きで明るい人だったんですよねと、お話しされるあたりしんさんも、楽しそうで取材中ずっと笑顔があふれている方でした。おばあさま、お母さまからつながっている前向きさや思いやりは、息子さんたちにもつながっているにちがいないと確信したスタッフでした。
イラストレーター 樋口たつの さん
イラストレーター 樋口たつの さん
最初にお話を読んだときに、おばあちゃんの優しい笑った顔と玄関にみんなの靴がずらりと幸せそうに並んでいるところがパっと浮かびました。

描いている間ずっと、家族ひとりひとりを思いながら靴をきれいにして並べていくおばあちゃんの優しい眼差しがわたしにも向けられているように感じていました。
全員の靴が並んでいるところは、家族全員のそれぞれのキャラクターを想像しながら描くのが楽しかったです。
写真
きんもくせいとランドセル
原作者 こはく あき さん
原作者 こはく あき さん
こはく あきさんの子どもの頃の一番忘れられない思い出が、今回ご投稿いただいたエピソード「きんもくせいとランドセル」でした。

小学生のとき、雨の日に黄色い絨毯のように広がっていたのがあまりにきれいで、道に落ちて濡れていたのにも関わらず拾わずにはいられない気持ちになったそうです。夢中で拾っていたときに、急に出てきたその家のおばさんがとても怖く見えて、“絶対怒られる”という緊張感と、そのあとの思いがけないプレゼントに驚いたドキドキ感は、今でも忘れられませんと笑顔でお話ししてくださいました。

道に落ちたものを拾っている子どもを見かけたら、『そんなもの拾わずに咲いている花を持っていきなさいよ』と私でも言いたくなるだろうなと、今は、そのときのおばさんの気持ちがわかるんですよねとおっしゃるこはく あきさん。スタッフも目の前に広がる黄色いじゅうたんと「きんもくせい」の香りを感じられるひと時でした。
イラストレーター 北住ユキ さん
イラストレーター 北住ユキ さん
キンモクセイの木の下に黄色い絨毯を敷いたような、鮮やかな光景を観てはしゃいでしまう気持ち、自分の言葉でうまく伝えられなくて混乱してしまう気持ち、、。子供の頃の感覚が蘇ってきました。おばさんが、いいひとでだったので、ほっとして泣きそうになる気持ちも。

ひなこちゃんが、独り占めしたくなるようなキンモクセイをどう描こうかと思案しながら制作しました。
写真
えほん進呈のようす
2019年6月
いっぽずつまえへ (やすよ さん)
いっぽずつまえへ (やすよ さん)
やすよさんの次女のあけみちゃんが主人公の“いっぽずつまえへ”。「本人が絵本の完成をとても楽しみにしていて、一緒にいきたい!と言っていたんですよ。いつも寄り道して帰ってくるのですが、今日は一目散に帰ってくるはずです」とやすよさん。ご家族で絵本の完成を心待ちにしていたと話してくださいました。

くらしえほんは30cm四方の布張りの絵本なのですが、この想像以上の大きさにやすよさんも驚いていらっしゃいました。装丁の仕上げは最後一部分を手作業で行っていることをお伝えすると「すごいですね」とじっくりと絵本をご覧になっていました。ページをめくりながら、「とっても素敵な絵ですね」「次女のエピソードのため、長女が残念そうにしていたのですが、家族4人が描かれたこのページを見て、ふたりとも喜ぶと思います!」と言ってくださいました。ご家族みなさんで読んでいただいている風景が見えるようでした。
げんきなげんかん (あたりしん さん)
今回はコピーライトを担当したスタッフも絵本のお届けに伺い、ドキドキわくわくのスタッフ陣。爽やかな笑顔が印象的なあたりしんさんに、早速絵本をお渡しすると「家族みんなで楽しみに待っていました。3作品ともいただけるんですね!」とその嬉しそうな表情にスタッフ一同ホッとしました。

普段から文章を書くようにしている、あたりしんさん。“書きたいことは自分の中にある”という考えから、アイデアがほしいときはご自身の内側と向きあうために、自然の中に身を置く時間をたいせつにしているそうです。この日は絵本のコピーライターも交えて、制作にまつわる話に花が咲きました。あたりしんさんのお話を伺い、目新しいことや自分にないものばかりを探している自分に気づかされました。これからはもう少し自分自身との対話を大切にしようと心に誓った帰り道でした。
げんきなげんかん (あたりしん さん)
きんもくせいとランドセル (こはく あき さん)
きんもくせいとランドセル (こはく あき さん)
自分のお話が本になるのが夢だったという、こはくあきさん。「(WEBサイトにアップされた)制作日記でイラストレーターの北住さんの絵を見て、とても楽しみにしていました」と事前に制作の過程をご覧いただいていました!
感慨深そうにページをめくる様子を目にして、スタッフの緊張もほどけて嬉しい気持ちになりました。ページの最初から最後まで登場する、オレンジ色が鮮やかなきんもくせいや、思わずドキッとするおばさんの登場シーンでは、「きれいですね、こんな描き方があるなんて!」 「本当にこんなお宅でした。おばさんの佇まいが絶妙ですね!」と、何度もご自身の小学生時代を回想している様子が印象的でした。

当時の後日談をお聞きすると、香袋を届けることは叶わなかったそうですが、ランドセルの中に入れてしばらく持っていたとのこと。残念ながら、そのきんもくせいのお宅は、現在アパートになってしまっているそうです。あのときのお礼に絵本を届けられないか、まずは近所の方に聞いてみたいとおっしゃっていました。

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前回のえほん制作日記
2018年12月に「くらしえほん」事務局スタッフによる1次〜2次選考での熱い議論を経て、最終6作品を選出しました。

たいせつなご家族やご友人、ペットとの想い出や何気ない日々の暮らしで起こった忘れたくない出来事など、“えほん”として残したいという想いが伝わるエピソードがたくさん寄せられました。

最終選考では約1,000名のクラシエ社員とたんぽぽメンバーの皆さまの投票により、今年も3つの優秀賞作品が決定しました!
「一歩ずつ前へ」はお子さんの成長スピードの違いに葛藤する中で、やすよさんが見つけた“ほんとうにたいせつなこと”についてのエピソードです。

お子さんが2人いるやすよさんは姉妹の違いを比べないよう日頃から心がけていました。
しかし、自然と目に入る長女と顕著に異なる次女の様子に「このままで大丈夫かな」と不安になってしまう日々が続いたそうです。そんな焦りや不安が続くなか、日に日にぐんぐんと成長し、両親を“あっ”と驚かせる出来事が起こります。

「最近は、次女が“テキパキさん”で、長女が“のんびりさん”なんです。あの日をきっかけに『ゆっくりでも、1歩ずつ前へ進むことで大丈夫』と思えるようになりました」とはじめての取材に緊張しながらも丁寧に話してくださる、やすよさんはとても温かな空気につつまれているようでした。
はじめてこのお話を読ませていただいた時に、なにか巡り合わせのようなものを感じました。私にも発達の遅れた兄がいて、家族全員で支え合った経験がありました。
ですので、この絵本のご両親のお気持ちがよく分かる気がしました。誰でもそれぞれに得意なことや不得意なことがあり、皆一歩ずつ歩んでいるのだと思います。

もどかしいから愛しい。そんなありふれた人の存在を、温かく包み込んでくれる絵本だと思いました。そういうことを素直に表現したいと思いながらイラストを描きました。
あたりしんさんが小さいときのお母さまとの思い出を、ご自身の3人のお子さんに伝えたいと思って書いたものです。

男の子3人との日々は、玄関に靴が散乱する毎日で、『脱いだら並べなさい!』とついつい怒ってしまうことも多いんですよと話すあたりしんさん。そんなとき、泥んこになって帰っても『元気な証拠だよね』と笑いながら言ってくれるお母さまのことをよく思い出すそうです。怒られるよりも、前向きなことばをかけてもらったことで、次から脱いだ靴をちょっと並べるようになったりしたので、息子さんたちにもそんな気持ちを感じてもらえたらとおっしゃっていました。

今思えば、おばあさまも、お母さまと似ていてとても前向きで明るい人だったんですよねと、お話しされるあたりしんさんも、楽しそうで取材中ずっと笑顔があふれている方でした。おばあさま、お母さまからつながっている前向きさや思いやりは、息子さんたちにもつながっているにちがいないと確信したスタッフでした。
最初にお話を読んだときに、おばあちゃんの優しい笑った顔と玄関にみんなの靴がずらりと幸せそうに並んでいるところがパっと浮かびました。

描いている間ずっと、家族ひとりひとりを思いながら靴をきれいにして並べていくおばあちゃんの優しい眼差しがわたしにも向けられているように感じていました。
全員の靴が並んでいるところは、家族全員のそれぞれのキャラクターを想像しながら描くのが楽しかったです。
こはく あきさんの子どもの頃の一番忘れられない思い出が、今回ご投稿いただいたエピソード「きんもくせいとランドセル」でした。

小学生のとき、雨の日に黄色い絨毯のように広がっていたのがあまりにきれいで、道に落ちて濡れていたのにも関わらず拾わずにはいられない気持ちになったそうです。夢中で拾っていたときに、急に出てきたその家のおばさんがとても怖く見えて、“絶対怒られる”という緊張感と、そのあとの思いがけないプレゼントに驚いたドキドキ感は、今でも忘れられませんと笑顔でお話ししてくださいました。

道に落ちたものを拾っている子どもを見かけたら、『そんなもの拾わずに咲いている花を持っていきなさいよ』と私でも言いたくなるだろうなと、今は、そのときのおばさんの気持ちがわかるんですよねとおっしゃるこはく あきさん。スタッフも目の前に広がる黄色いじゅうたんと「きんもくせい」の香りを感じられるひと時でした。
キンモクセイの木の下に黄色い絨毯を敷いたような、鮮やかな光景を観てはしゃいでしまう気持ち、自分の言葉でうまく伝えられなくて混乱してしまう気持ち、、。子供の頃の感覚が蘇ってきました。おばさんが、いいひとでだったので、ほっとして泣きそうになる気持ちも。

ひなこちゃんが、独り占めしたくなるようなキンモクセイをどう描こうかと思案しながら制作しました。
やすよさんの次女のあけみちゃんが主人公の“いっぽずつまえへ”。「本人が絵本の完成をとても楽しみにしていて、一緒にいきたい!と言っていたんですよ。いつも寄り道して帰ってくるのですが、今日は一目散に帰ってくるはずです」とやすよさん。ご家族で絵本の完成を心待ちにしていたと話してくださいました。

くらしえほんは30cm四方の布張りの絵本なのですが、この想像以上の大きさにやすよさんも驚いていらっしゃいました。装丁の仕上げは最後一部分を手作業で行っていることをお伝えすると「すごいですね」とじっくりと絵本をご覧になっていました。ページをめくりながら、「とっても素敵な絵ですね」「次女のエピソードのため、長女が残念そうにしていたのですが、家族4人が描かれたこのページを見て、ふたりとも喜ぶと思います!」と言ってくださいました。ご家族みなさんで読んでいただいている風景が見えるようでした。
今回はコピーライトを担当したスタッフも絵本のお届けに伺い、ドキドキわくわくのスタッフ陣。爽やかな笑顔が印象的なあたりしんさんに、早速絵本をお渡しすると「家族みんなで楽しみに待っていました。3作品ともいただけるんですね!」とその嬉しそうな表情にスタッフ一同ホッとしました。

普段から文章を書くようにしている、あたりしんさん。“書きたいことは自分の中にある”という考えから、アイデアがほしいときはご自身の内側と向きあうために、自然の中に身を置く時間をたいせつにしているそうです。この日は絵本のコピーライターも交えて、制作にまつわる話に花が咲きました。あたりしんさんのお話を伺い、目新しいことや自分にないものばかりを探している自分に気づかされました。これからはもう少し自分自身との対話を大切にしようと心に誓った帰り道でした。
自分のお話が本になるのが夢だったという、こはくあきさん。「(WEBサイトにアップされた)制作日記でイラストレーターの北住さんの絵を見て、とても楽しみにしていました」と事前に制作の過程をご覧いただいていました!
感慨深そうにページをめくる様子を目にして、スタッフの緊張もほどけて嬉しい気持ちになりました。ページの最初から最後まで登場する、オレンジ色が鮮やかなきんもくせいや、思わずドキッとするおばさんの登場シーンでは、「きれいですね、こんな描き方があるなんて!」 「本当にこんなお宅でした。おばさんの佇まいが絶妙ですね!」と、何度もご自身の小学生時代を回想している様子が印象的でした。

当時の後日談をお聞きすると、香袋を届けることは叶わなかったそうですが、ランドセルの中に入れてしばらく持っていたとのこと。残念ながら、そのきんもくせいのお宅は、現在アパートになってしまっているそうです。あのときのお礼に絵本を届けられないか、まずは近所の方に聞いてみたいとおっしゃっていました。