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えほん制作日記 選考会のようす
皆さまからの“たいせつなこと。”「くらしえほんキャンペーン2019」の入賞3作品が決定しました。
2020年1月に「くらしえほん」事務局スタッフによる
1次~2次選考での熱い議論を経て、最終8作品を選出しました。

心がほっこり温かくなる思い出や思わず涙してしまうお話など
たくさんの“人を想う”エピソードが寄せられました。

最終選考ではクラシエ社員とたんぽぽメンバーの皆さま、
総勢1,000名以上の投票により、
今年も3つの優秀賞作品が決定しました!
取材のようす
おばあちゃんのカレーライス
原作者 森田秀平 さん
原作者 森田秀平 さん
『おばあちゃんのカレーライス』は、森田さんが大好きなおばあさまとの出来事を、何か形に残せたら・・と思ったときに「くらしえほんキャンペーン」を見つけ、ご応募くださったエピソードです。

認知症のおばあさまが夜中つくったカレーライス。「小さい頃から大好きだった、おばあちゃんの甘いカレーライスの味は変わっていませんでした。」と、ひとつひとつ噛み締めるようにお話くださった森田さん。

森田さんご自身、エピソードからもわかるようにとても家族想いの素敵な方でした。「介護は、するほうもされるほうも巡ってくるものなんだと思いますし、もちろんしんどいなと思うときもあるけれど家族なのだから当たり前ですよ」などとお話いただき、ご立派だなぁと心から感動しました。心に響く言葉をたくさんいただいた事務局スタッフ一同、家族を改めて大事にしないとな・・と想いながら、帰路につきました。
イラストレーター 村田善子 さん
イラストレーター 村田善子 さん
主人公が、おばあちゃんのカレーの味を懐かしく思う様子からおばあちゃんとの繋がりがイメージの中で膨らんできました。認知症になったおばあちゃんを見守ろうとする眼差しが伝わってきます。できたてのカレーを食べる場面では、うれしさと哀しさが入り混じるような、なんとも言えない気持ちになりました。甘いカレーをつくり、目の前で微笑む姿は、何も変わらない昔のままのおばあちゃん。真夜中の二人だけの、このひと時が愛おしいです。その想いと共に、おばあちゃんの生き生きとした表情を想像しながら描きました。

そして、私自身の味の記憶をも思い出す切っ掛けとなりました。
どうもありがとうございました。
写真
おきにいりのむぎわらぼうし
原作者 キミー・オニヅカ さん
原作者 キミー・オニヅカ さん
キミーさんが小学校3年生のときの忘れられない思い出が、今回ご応募いただいた『お気に入りのむぎわらぼうし』です。

「6〜7月頃だったかな、バスを待っていたら、大のお気に入りだった白い麦わら帽子が風にとばされ、田んぼに落ちてしまって。まだ小さかったからもじもじしていてね、“どうしよ〜”と立ち尽くしていたら、バスがやってきて。車掌さんが「乗らないの?」と声をかけてくれ、なんと帽子をとってくれたの。ほんとうに嬉しかった〜!」と、取材に伺うとまるで昨日のことのように、この想い出にまつわるお話をたくさんたくさんしてくださいました。

“チャーミング”という言葉がぴったりのキミーさん。ご家族でカフェを営んでいることもあるのか、とてもお話しやすく親しみやすいお人柄で、事務局みんなまるで自宅にいるような気持ちでリラックスしながら、素敵な時間を過ごすことができました。
イラストレーター 長光雅世 さん
イラストレーター 長光雅世 さん
お話を読んだとき、心がほんわりしました。バスの車掌さんのやさしさも素敵だけど、女の子の色んな気持ちが想像できてかわいいなって思いました。ちいさなころってこんな風に、嬉しくなったり、悲しくなったり、もじもじしたりして、いちいち忙しかった気がします。だから、女の子の気持ちが伝わるように絵を描きたいと制作しました。どんな女の子で、この時はどんな気持ちになって……とか、どんな景色の中で、どんな風がふいて、どんな車掌さんで、どんなお母さんだったかなとか。一人の方に贈るように絵を描けたことが楽しかったです。
写真
手の記憶
原作者 まつもともえ さん
原作者 まつもともえ さん
『手の記憶』は、まつもとさん、まつもとさんのお母さんとすずちゃんの3世代の、とても心温まる出来事です。

すずちゃんに「おばあちゃんとママ、ちゃんと手を繋がないと写真撮らないよ!」といわれ、何十年ぶりかに握った手に、「忘れていってしまうこともあるけど、手はしっかり昔の感覚を覚えているのだなぁと思いました」とお話くださるまつもとさん。確かに、成長すると親を手を繋ぐことなんてなくなってしまうな・・と思うと、改めて、手を繋ぐことの尊さ・温かさやちょっと気恥ずかしい気持ちがこみあげてくるようでした。

“手を繋ぐ”のが一時期すずちゃんのブームで、「ある日、お友達家族と一緒にでかけたとき、すずが「お父さんも、〇〇ちゃんのお父さんと手を繋いで!」と言ってきかなくて、主人と友達のご主人が手を繋ぐことになったんですよ(笑)」とおっしゃるまつもとさんのお話に事務局一同大爆笑でした。
イラストレーター しんやゆう子 さん
イラストレーター しんやゆう子 さん
5才のすずちゃんとおばあちゃんとお母さんのいつものお散歩。お話をいただいて、とても穏やかで、しみじみとしたやさしい情景が浮かんできました。すずちゃんとお母さんの娘としてのかわいらしさ、そしておばあちゃんもおばあちゃんのお母さんの娘さんなんだ、とふと思ったりしました。特別な日じゃない日常の幸せが描けたらいいなあと思いました。
写真
えほん進呈のようす
2020年6月下旬、完成した絵本を受賞者の方々へお贈りしました。毎年直接お伺いしお届けしているものの、今年は残念ながら“直接”のお届けは断念せざるを得ませんでした。そこで、今回は新たな試み【WEB贈呈式】を行いました!普段は同席できないコピーライターやアートディレクターなど制作スタッフも参加することができ、たくさんのメンバーで感動を共有することができました。
後日お送りいただいたお写真とともに、贈呈式の様子をお伝えいたします!
おばあちゃんのカレーライス(森田秀平 さん)
おばあちゃんのカレーライス(森田秀平 さん)
スタッフに見守られながら、絵本を開封する森田さん。WEBカメラ越しに伝わるガサガサ・・という音が緊張感を高めます。
絵本を見た瞬間、「大きいんですね・・!!」と、絵本の30cmx30cmというサイズに驚かれていました!
取材で2月にお伺いしてから、「6月、どんな絵本ができるか楽しみにしていたんです。介護の経験があるからこそ、絵本として残すことができたので、正直つらいことも多いのですが、介護をしていてよかったな・・と思います、嬉しいです。」と、ご自分の言葉で落ち着いて語る森田さんにスタッフ一同胸が熱くなりました。
おきにいりのむぎわらぼうし(キミー・オニヅカ さん)
絵本を神棚に保管してくださっていたというキミーさん。早速開けていただくと、「可愛いー!!」という何とも喜ばしい第一声が聞こえ、スタッフ一同ほっと一安心。
「こんな感じでした・・うん、そうそう」と、絵本を見ながら、あの日の出来事を思い返している様子のキミーさん。「こんな感じでした。とても可愛く描いてくれてありがとうございます、本当にうれしい!母にも見せますね」とちょっと涙目の満面の笑顔でおっしゃる姿に、私たちも心からうれしくなりました。絵本を欲しいと言ってくださる方もいるとのことで、ぜひたくさんの方とこの素敵な思い出の絵本を一緒に共有していただければと思います!
おきにいりのむぎわらぼうし(キミー・オニヅカ さん)
てのきおく(まつもともえ さん)
てのきおく(まつもともえ さん)
贈呈の日は、娘のすずちゃんも同席してくれました。一緒に絵本を開きながら、お互い目を合わせてニコーッと微笑み、「嬉しいね!」とおっしゃるまつもとさんとすずちゃんの姿に、スタッフみんなもらい泣きしてしまいそうでした。お二人で絵本を朗読しながら1ページ1ページ読み進める時間は、本当に穏やかで心地いいものでした。絵本に登場するお母さま(すずちゃんのおばあちゃん)も完成を楽しみにしてくださっているとのこと。
遠方にいらっしゃるので今はしばらく会えていないそうなので「とても喜ぶと思います。早速送りますね!」とまつもとさん。私たちもお母さまの反応が楽しみです・・!!
余談ですが、イラストのすずちゃんが、すずちゃんご本人にそっくりでとっても可愛かったです。
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前回のえほん制作日記
2020年1月に「くらしえほん」事務局スタッフによる1次~2次選考での熱い議論を経て、最終8作品を選出しました。

心がほっこり温かくなる思い出や思わず涙してしまうお話などたくさんの“人を想う”エピソードが寄せられました。

最終選考ではクラシエ社員とたんぽぽメンバーの皆さま、総勢1,000名以上の投票により、今年も3つの優秀賞作品が決定しました!
『おばあちゃんのカレーライス』は、森田さんが大好きなおばあさまとの出来事を、何か形に残せたら・・と思ったときに「くらしえほんキャンペーン」を見つけ、ご応募くださったエピソードです。

認知症のおばあさまが夜中つくったカレーライス。「小さい頃から大好きだった、おばあちゃんの甘いカレーライスの味は変わっていませんでした。」と、ひとつひとつ噛み締めるようにお話くださった森田さん。

森田さんご自身、エピソードからもわかるようにとても家族想いの素敵な方でした。「介護は、するほうもされるほうも巡ってくるものなんだと思いますし、もちろんしんどいなと思うときもあるけれど家族なのだから当たり前ですよ」などとお話いただき、ご立派だなぁと心から感動しました。心に響く言葉をたくさんいただいた事務局スタッフ一同、家族を改めて大事にしないとな・・と想いながら、帰路につきました。

主人公が、おばあちゃんのカレーの味を懐かしく思う様子からおばあちゃんとの繋がりがイメージの中で膨らんできました。認知症になったおばあちゃんを見守ろうとする眼差しが伝わってきます。できたてのカレーを食べる場面では、うれしさと哀しさが入り混じるような、なんとも言えない気持ちになりました。甘いカレーをつくり、目の前で微笑む姿は、何も変わらない昔のままのおばあちゃん。真夜中の二人だけの、このひと時が愛おしいです。その想いと共に、おばあちゃんの生き生きとした表情を想像しながら描きました。

そして、私自身の味の記憶をも思い出す切っ掛けとなりました。
どうもありがとうございました。
キミーさんが小学校3年生のときの忘れられない思い出が、今回ご応募いただいた『お気に入りのむぎわらぼうし』です。

「6〜7月頃だったかな、バスを待っていたら、大のお気に入りだった白い麦わら帽子が風にとばされ、田んぼに落ちてしまって。まだ小さかったからもじもじしていてね、“どうしよ〜”と立ち尽くしていたら、バスがやってきて。車掌さんが「乗らないの?」と声をかけてくれ、なんと帽子をとってくれたの。ほんとうに嬉しかった〜!」と、取材に伺うとまるで昨日のことのように、この想い出にまつわるお話をたくさんたくさんしてくださいました。

“チャーミング”という言葉がぴったりのキミーさん。ご家族でカフェを営んでいることもあるのか、とてもお話しやすく親しみやすいお人柄で、事務局みんなまるで自宅にいるような気持ちでリラックスしながら、素敵な時間を過ごすことができました。

お話を読んだとき、心がほんわりしました。バスの車掌さんのやさしさも素敵だけど、女の子の色んな気持ちが想像できてかわいいなって思いました。ちいさなころってこんな風に、嬉しくなったり、悲しくなったり、もじもじしたりして、いちいち忙しかった気がします。だから、女の子の気持ちが伝わるように絵を描きたいと制作しました。どんな女の子で、この時はどんな気持ちになって……とか、どんな景色の中で、どんな風がふいて、どんな車掌さんで、どんなお母さんだったかなとか。一人の方に贈るように絵を描けたことが楽しかったです。
『手の記憶』は、まつもとさん、まつもとさんのお母さんとすずちゃんの3世代の、とても心温まる出来事です。

すずちゃんに「おばあちゃんとママ、ちゃんと手を繋がないと写真撮らないよ!」といわれ、何十年ぶりかに握った手に、「忘れていってしまうこともあるけど、手はしっかり昔の感覚を覚えているのだなぁと思いました」とお話くださるまつもとさん。確かに、成長すると親を手を繋ぐことなんてなくなってしまうな・・と思うと、改めて、手を繋ぐことの尊さ・温かさやちょっと気恥ずかしい気持ちがこみあげてくるようでした。

“手を繋ぐ”のが一時期すずちゃんのブームで、「ある日、お友達家族と一緒にでかけたとき、すずが「お父さんも、〇〇ちゃんのお父さんと手を繋いで!」と言ってきかなくて、主人と友達のご主人が手を繋ぐことになったんですよ(笑)」とおっしゃるまつもとさんのお話に事務局一同大爆笑でした。
5才のすずちゃんとおばあちゃんとお母さんのいつものお散歩。お話をいただいて、とても穏やかで、しみじみとしたやさしい情景が浮かんできました。すずちゃんとお母さんの娘としてのかわいらしさ、そしておばあちゃんもおばあちゃんのお母さんの娘さんなんだ、とふと思ったりしました。特別な日じゃない日常の幸せが描けたらいいなあと思いました。
2020年6月下旬、完成した絵本を受賞者の方々へお贈りしました。毎年直接お伺いしお届けしているものの、今年は残念ながら“直接”のお届けは断念せざるを得ませんでした。そこで、今回は新たな試み【WEB贈呈式】を行いました!普段は同席できないコピーライターやアートディレクターなど制作スタッフも参加することができ、たくさんのメンバーで感動を共有することができました。
後日お送りいただいたお写真とともに、贈呈式の様子をお伝えいたします!
スタッフに見守られながら、絵本を開封する森田さん。WEBカメラ越しに伝わるガサガサ・・という音が緊張感を高めます。
絵本を見た瞬間、「大きいんですね・・!!」と、絵本の30cmx30cmというサイズに驚かれていました!
取材で2月にお伺いしてから、「6月、どんな絵本ができるか楽しみにしていたんです。介護の経験があるからこそ、絵本として残すことができたので、正直つらいことも多いのですが、介護をしていてよかったな・・と思います、嬉しいです。」と、ご自分の言葉で落ち着いて語る森田さんにスタッフ一同胸が熱くなりました。
絵本を神棚に保管してくださっていたというキミーさん。早速開けていただくと、「可愛いー!!」という何とも喜ばしい第一声が聞こえ、スタッフ一同ほっと一安心。
「こんな感じでした・・うん、そうそう」と、絵本を見ながら、あの日の出来事を思い返している様子のキミーさん。「こんな感じでした。とても可愛く描いてくれてありがとうございます、本当にうれしい!母にも見せますね」とちょっと涙目の満面の笑顔でおっしゃる姿に、私たちも心からうれしくなりました。絵本を欲しいと言ってくださる方もいるとのことで、ぜひたくさんの方とこの素敵な思い出の絵本を一緒に共有していただければと思います!
贈呈の日は、娘のすずちゃんも同席してくれました。一緒に絵本を開きながら、お互い目を合わせてニコーッと微笑み、「嬉しいね!」とおっしゃるまつもとさんとすずちゃんの姿に、スタッフみんなもらい泣きしてしまいそうでした。お二人で絵本を朗読しながら1ページ1ページ読み進める時間は、本当に穏やかで心地いいものでした。絵本に登場するお母さま(すずちゃんのおばあちゃん)も完成を楽しみにしてくださっているとのこと。
遠方にいらっしゃるので今はしばらく会えていないそうなので「とても喜ぶと思います。早速送りますね!」とまつもとさん。私たちもお母さまの反応が楽しみです・・!!
余談ですが、イラストのすずちゃんが、すずちゃんご本人にそっくりでとっても可愛かったです。